保険のキホン
必要保障額とは
必要保障額とは、世帯主に万一のことがあった場合、のこされた家族の生活を維持するために必要な金額であり、保険で確保すべき保障額のことです。
必要保障額は、ご家族や資産の状況、加入している年金制度などによって異なります。
将来にわたる「支出」と「収入」の差額が「必要保障額」です。「支出」と「収入」には、たとえば以下のようなものが考えられます。
必要保障額は、末子が生まれた後は時間の経過とともに、だんだん減少します。
「必要保障額は時間の経過とともに減っていく」というと、違和感を感じられる方が多いようです。子どもが成長していくとともに教育費などがかさみ、それとともに必要保障額も大きくなっていくと考えている人が多いからです。たしかに、子どもの成長にともなって「必要生活費」は増えていきますが、「必要保障額」は逆に減っていきます。そのことをご説明しましょう。
「必要生活費」の変化
まず、「必要生活費」の変化についてご説明します。下の図は、子どものいる一般的な家庭の世帯主の必要生活費の変化を示しています。子どもができたばかりのX歳の場合と、子どもが大学生の頃のY歳の場合を比較すると、当然、Y歳の場合のほうが必要生活費が大幅に大きくなります。
[イメージ図A]
X歳のときに万一のことがあった場合
世帯主がX歳のときに万一のことがあったと仮定した場合、必要生活費がどうなるか示したのが下の[イメージ図B]です。世帯主に万一のことがあった場合、「世帯主の分の日常生活費」が必要なくなると同時に「公的遺族年金」が支給されます。ただし、公的遺族年金だけではのこされた家族の生活費は足りなくなることが一般的です。足りなくなるお金をオレンジ色の部分で示しています。
[イメージ図B]
Y歳のときに万一のことがあった場合
次に、世帯主がY歳のときに万一のことがあったと仮定した場合、必要生活費がどうなるかみてみましょう。[イメージ図C]をみると、お金の不足を表すオレンジ色の部分の面積が、[イメージ図B]と比べて小さくなっていることがわかります。
[イメージ図C]
「必要保障額」の変化
[イメージ図B]のオレンジ色の面積がX歳のときの、[イメージ図C]のオレンジ色の面積がY歳のときの、必要保障額を示しています。つまり、X歳のときに比べてY歳のときの必要保障額は小さくなるのです。Y歳のときには、たしかに必要生活費は大きいのですが、お子さまの独立が目前に迫っているので、保険で準備すべき保障額は小さくてすむのです。
必要保障額の変化をまとめると、以下のような図で示すことができます。
※マイホームを購入し、住宅ローンを借りると、通常「団体信用生命保険」に加入します。この場合、万一のことがあってものこされた家族にローン返済の負担は残りません。したがって、マイホームを購入すると必要保障額は減少します。