生命保険 選び方を 考える

その保険って、要る?

「先進医療を保障する特約」って、どうなの?
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「先進医療」とは

最先端の科学技術を医療に応用したもののうち、厚生労働大臣が承認した治療技術をいい、平成23年6月30日現在で123種類の技術が認められています。高い治療効果が期待できる一方で、その技術料には健康保険が適用されず全額自己負担となるので、受けた技術によっては、患者にとって重い費用負担となる場合があります。

〈先進医療の例〉
重粒子線治療…平均技術料 2,953,648円
陽子線治療……平均技術料 2,676,835円
厚生労働省「第62回 先進医療専門家会議(平成24年1月19日)」資料より

「先進医療」の保障とは

指定された先進医療を受けた場合、その技術料の全額を保障するものです。医療保険やがん保険などに特約として付加する形が一般的であり、主契約で先進医療だけを保障する保険は、現在のところ販売されていません。

 

白天使の主張

「粒子線治療」は画期的ながんの治療法

先進医療として承認されている重粒子線治療や陽子線治療は、総称して「粒子線治療」と呼ばれており、新しいがんの治療法として注目されています。この治療法は、重粒子や陽子などの粒子を巨大な加速器で加速したうえでがん病巣に照射するもので、がん以外の健康な細胞にダメージを与えることなく、ピンポイントでがん細胞を攻撃する効果が期待されています。
しかし、高度な科学技術が応用されているため、その技術料は高額になりがちで、重粒子線治療は平均・約295万円、陽子線治療は平均・約268万円の費用を患者自身が負担する必要があります。

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経済的な理由で治療の選択肢を狭めないために

経済的な理由、つまり「費用が負担できないから」という理由で、受けたい治療を受けられないとしたら、こんなに悲しいことはありません。とくに、がんのような命に関わる病気の場合はなおさらです。こうした事態を招かないためにも、先進医療に関する保障はぜひ確保しておきたいものです。

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黒天使の主張

「月々100円前後」の意味は

保険のテレビコマーシャルなどによく登場する「先進医療」ですが、医療保険やがん保険などに付加されている「先進医療保障特約」の特約保険料がいくらくらいかご存知ですか?月々100円前後です。この程度の保険料で保障が確保できるということは、裏を返せば「この治療を受ける人は滅多にいない」ということでもあるのです。

がん患者の0.16%しか受けない治療?

具体的な数値でみてみましょう。技術料が高額になる先進医療として代表的な治療方法は「重粒子線治療」と「陽子線治療」ですが、ふたつの治療の1年間の実施件数はあわせて2,381件※1です。がんの総患者数は152万6千人※2ですので、その0.16%しか1年間にこの治療を受けていないことになります。つまり、がんにかかったとしても、この治療を受けられる可能性が非常に低いといえるのではないでしょうか。

※1:平成22年7月1日~平成23年6月30日の実施件数(厚生労働省「第62回 先進医療専門家会議(平成24年1月19日)」資料より)
※2:厚生労働省「平成23年 患者調査」より

医療保険に入るなら付加しておいても…

しかし考えてみれば、たった100円前後の特約保険料であれば、「安心料」としてはそう高額ではありません。可能性は低いものの、この治療を受ける機会が全くないとはいえないのですから。その意味で、これから医療保険やがん保険に入ろうとされている方にとって、「先進医療保障特約」は付加しておいてもいい特約といえるでしょう。ただし「この特約が欲しい」という理由だけで、新たに医療保険やがん保険に加入することはないのではないかと思われます。

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