保険を「確率論」で語ることはナンセンス(その1)


医療保険には入院給付金の「支払限度日数」というものがあります。1回の入院で「最長○日分まで入院給付金が支払われる」ということが決められているのです。支払限度日数は商品によって異なり、各保険会社が60日~240日くらいの範囲で決めていますが、これが長いほど当然保険料は高くなります。近年では支払限度日数を60日程度、つまり短めに設定している保険が多いようです。


支払限度日数を短めに設定する保険会社の主張は「ほとんどの入院は60日以内に収まっている、だから支払限度日数は短くして、そのぶん保険料を抑えるほうが良い」ということです。たしかに、厚生労働省の患者調査(平成23年)によれば、すべての入院のうち約92%が60日以内に収まっています。「確率論」でいえば、保険会社の主張は正しいように思われます。しかし、ほんとうにそうなのでしょうか?


たとえば、脳血管疾患で入院した場合の平均入院期間は93日間、半年以上の長期入院となるケースも約7.6%あります(厚生労働省「平成23年患者調査」をもとに試算)。入院期間が1年、2年と長期にわたってしまう事態を想像してみてください。医療費の負担が重くのしかかるとともに、働けないことによる収入の減少が家計に重大なダメージを与えているかもしれません。退院後の後遺症も心配です。このような悲惨な事態に備えることこそ「保険」の本来の役割なのではないでしょうか?支払限度日数60日の保険ではこうした事態に対処できません。


脳血管疾患で入院することも、入院が長期にわたってしまうことも、入院全体からみれば低い確率なのかもしれません。しかし「めったにあることではないが、もしあってしまったら大変なこと」に備えるのが保険です。幼い子供を遺して世帯主が亡くなる、車で重大事故を起こす、若くしてがんに罹患して働けなくなる、いずれも「確率論」でみればレアケースです。こうしたレアケースが起きてしまったときに、自分や家族を守るものが「保険」だと考えるべきです。


結論。もし医療保険に入るのであれば、支払限度日数は長めのものを選びましょう。


〈追記〉
最近、入院の原因になっている傷病によって支払限度日数が異なる医療保険が登場しています。たとえば、一般の病気やケガによる入院は60日限度であっても、脳系の病気を含む三大疾病は支払限度が長くなったり、あるいは無制限になったりするような保険です。これはこれで合理的な考え方ですよね。検討に値する保険だと思います。


“生命保険の選び方をサポートする保険天使”
今回のブログは、白天使が担当しました。


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